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ともに、かける

エンジニアリングマネージャーのしごと ー チームが必要とするマネージャーになる方法

エンジニアリングマネージャー(以降EM)が必要とする実践的な内容が多く記載されています。ネットの情報は断片的なので体系的に説明されている本書はこれからEMを始める方には特におすすめです。自組織のEM陣と一緒に輪読会を実施しましたが、多くのところで共感していました。なので本当に必要な内容が詰まっているのは確かだと思います。また、今までの経験や直近の課題感なども踏まえ色々と気づきを得ているようでした。

私は特にEMになるつもりも予定もなかったです。主に以下のことを考えていました。

  • メンタリングや採用などのEMの技術は自身のテックリードのキャリアとしても役立つ
  • EMの仕事を理解することで互いにより効果的に価値を生み出せる関係を築きたい

実際に書籍を読んで期待は満たされました。またEMとの関わりに関して改善提案もできました。当時のSREチームは歴史的な経緯から専任のEMがいませんでした。当書籍を読んだ上でEMに対して期待して良いことや、他のチームではそれが実現されていそうなことを感じたので相談してみたところ、専任のEMをつけてくれました。

より詳細な内容を紹介していきます。当書籍はビジネス論やリーダーシップ論ではなく実践的な内容の記載がされています。具体的な内容も多くとてもイメージしやすかったです。例えば1on1についてもマネージャとしては何をすべきかはわからないでしょう。4章は丸々1on1について記載されており、実施頻度の考え方から1on1での準備、1on1中のメモの仕方などとても細かく指南があります。

その他の内容もいくつかピックアップしてみます。

マネジメントをする立場になることで、あなたの言葉には権威が伴うことを自覚する

EMになった際の重要な差分ですね。今までとは異なる振る舞いをしないと効果的に動けないということは意識しなければいけません。

マネージャーのアウトプット = あなたのチームのアウトプット + あなたが影響を与えた他のチームのアウトプット

この考えは当プロダクトのEM陣がとても共感していました。プレイヤーとして自身のアプトプットにだけフォーカスするとEMとしてはうまく動けません。またつい自身のアウトプットにフォーカスしてしまい、最初苦しむそうですww EMとしての価値を示す重要な式だと思いました。

また、私はこれはSREチームなどの横断的な組織にも活用できる式ではないかと考えています。自チームでは開発者が信頼性向上をできる仕組み作りをしているため、自らのアウトプットのみが成果ではありません。チームとしてのアウトプットを主張する際にも、この式は活用できそうだと感じました。この式をEM陣と共通認識として持てたのは良かったことかもしれません。

このように当書籍ではEMが必要とする実践的な内容が丁寧に説明されています。これからEMになる人には特にオススメですし、EMで試行錯誤している人も基礎として再整理することで色々と気づきを得られる書籍だと思います。